食中毒で信頼を失わないために。キッチンカーで営業で気を付けるべきこと
こんにちは!レガーレの若林です🙌暑さも少しずつやわらいできましたが、みなさま夏の疲れがでてくるころでしょうか。。。2025年残り3分の1、無理せず、でも元気に頑張って参りましょう~!
さて、本日は、キッチンカー営業をする中で安全に食材を管理するコツについてまとめてみようと思います。固定店舗と異なり、設備が限られるキッチンカー。食中毒を起こさないためには食材を適切な温度で管理し、安全な商品を提供するためには細心の注意や工夫が必要です。気を付けるべきポイントやおすすめの方法等、ご紹介します!
キッチンカーによる集団食中毒
近年もキッチンカーによる食中毒事件は発生しています。今年2025年の8月にはケバブやトルコアイスを販売するキッチンカーで34人が症状を訴える集団食中毒が発生しました。1人が入院し、該当店舗は3日間の営業停止となりました。
過去には川崎市でキッチンカーが提供したお弁当を食べた62名が体調不良に。また、キッチンカーではないですが露店販売によるきゅうりの浅漬けが原因で、500人近い集団食中毒が発生した事例もあり、多くのお客様に被害が及びました。また、食中毒は最悪の場合死亡者がでる事例もあります。
大切なお客様の健康を脅かすだけでなく、営業停止による売上減少、信頼が失われる事によりご自身の今後のお店の経営も危うくなります。このような事にならないためにも、しっかりと対策をとり適切な営業をすることが重要です。
食中毒が起こりやすい環境とは?
そもそも何が原因で食中毒が起きてしまうのか。。。食中毒は、特定の条件が揃ったときに発生しやすくなります。キッチンカーという限られた環境では、特に以下の3つの要素が危険です🚨
●温度管理の不備
細菌は、温度が20℃〜50℃の間で最も活発に増殖します。これを「危険温度帯」と呼びます。キッチンカーでは、狭い車内の温度が上がりやすいため、食材を放置するとあっという間に危険温度帯に達してしまいます。 暑い車内に食材を置きっぱなしにしてしまうと、細菌が急速に増殖するため注意が必要です。また、冷蔵庫・冷凍庫等の設備が適切に機能しないと、食材を安全な温度に保つことができません。
●衛生管理の不徹底
清潔な環境を保つことは、食中毒予防の基本です。キッチンカーでは、手洗い設備や十分な水が確保できない場合があるため、特に注意が必要です。 調理の前や、生肉や魚を扱った後に手をしっかり洗わないと、手に付着した細菌が他の食材に付着してしまいます。また、生の食材(肉、魚など)と加熱済みの食材で、まな板や包丁を使い分けなければ細菌が交差汚染する原因になります。調理台が汚れたままではそこから細菌が食材に移ってしまうため、常に清潔に保つ事が必要です。
●不適切な水分量
細菌の増殖には水分が欠かせません。水浸しの場所は細菌にとって格好の増殖場所になります。 冷蔵庫内の結露や、調理スペースの水濡れを放置すると、細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。また、野菜に付着した泥や水洗い後の水滴も、菌の増殖源となり得ます。
食中毒対策の基本
食中毒を起こさないために、まずは基本中の基本は、先述したような危険な環境を作らない事です。具体的には以下のような対策が必要です。
●「つけない」ための衛生管理
...食中毒の原因となる細菌やウイルスを食品に「つけない」ことが最も重要
・手洗いの徹底: 調理前や盛り付け前はもちろん、生肉や魚を扱った後、お金を触った後など、こまめな手洗いを心がけましょう。
・調理器具の使い分け: 生の食材用(肉・魚)と加熱済みの食材用で包丁やまな板を使い分け、二次汚染を防ぎます。
・調理スペースの清掃: 調理中はアルコールスプレーや次亜塩素酸ナトリウム液を使って、こまめに調理台を拭きます。
●「増やさない」ための温度管理
...細菌やウイルスは温度が高いと増殖しやすくなります。食品を適切な温度で管理することが大切です。
・冷蔵・冷凍庫の適切な使用: 食材は常に冷蔵・冷凍庫で保管し、扉の開閉は最小限に抑えます。庫内の温度計を設置し、定期的に温度を確認しましょう。
・食材の迅速な冷却: 出来上がった料理は、保冷剤や氷水を入れた容器を使って素早く冷やします。特に夏場は、常温での放置は厳禁です。
・食材の仕込みは必要最低限に: 提供する分だけを仕込み、作り置きしすぎないようにしましょう。
●「やっつける」ための加熱処理
...食中毒菌の多くは、加熱することで死滅します。中心部までしっかりと火を通すことが重要です。
・中心温度の確認: 肉や魚など、中心部まで火が通りにくい食材は、加熱調理後に食品用温度計で中心温度が75℃で1分以上、またはこれと同等以上の殺菌効果がある温度に達しているか確認しましょう。
・再加熱時の注意: 出来上がった料理を再加熱する際は、中心部まで十分に温めてから提供します。
安全な商品を提供するために
では、キッチンカーで安全な商品を提供するには、どのような対策が必要でしょうか?
まず、出し入れする食材の温度管理をする工夫についてです。冷蔵庫で保管していても、営業中に何度も出し入れをしたり、ピーク時には調理台に出しっぱなしにもなってしまう食材たち。それでも安全な状態で提供したいですよね。レガーレでは、よく使用するチーズやトマトソース等の食材は発泡スチロールでできた箱にいれ冷蔵庫に保管し、取り出す際も箱ごと作業台に取り出しています。そうすることで、冷蔵庫から取り出しても温度が上がりにくく、腐敗を防ぐ事ができます。また、取り出す際も使用する食材を一気に取り出すことができ便利です!
そして、しっかり加熱処理をすることも食中毒の対策になります。最後に加熱処理がされた商品はそうでない商品に比べ、細菌の数が圧倒的に少なく安心して提供することができます。これからキッチンカーを始める方で何を販売するか悩んでいる方は、最後に加熱をして提供する商品(もしサンドイッチで考えているならホットサンドにする等)を検討する事をおすすめします。
もちろんレガーレのピザは500度を超える温度で焼き上げているため、その後の保存を気を付けていれば食中毒の危険性は低い商品であると考えられます。
また、加熱しない生野菜や果物は、特に危険です。サラダピザ等の加熱処理後にのせる生野菜は別添えしておくといいでしょう。生野菜は洗浄後に水滴が残っていても危険です。水気をしっかりとり、冷蔵で保管しておきましょう。
限られた冷蔵スペースでもたくさんの食材をもっていくために
イベント等で売上が見込めるとき、多くの食材を積んでいきたいですよね。レガーレでもイベント時には多めに食材を持って行くようにしています。ですが冷蔵スペースが限られているキッチンカー。
そこでおすすめなのが、大きなクーラーボックスです!しっかり保冷剤もいれておけば、1日保冷が可能です。
レガーレではたくさん使うトマトソースやチーズをたくさん詰め込んでいます。トマトソースはソースポットではなく、密閉できる袋に入れる事でより多くの量を持って行くことができます!
参考:amazon
大きな保冷剤を複数入れ、しっかり保冷状態を保てるようにしましょう。大型のハードタイプの保冷剤がおすすめです。
参考:amazon
また、大型フェス等でどう頑張っても持って行きたい食材が乗り切らない、そんなときには保冷車のレンタルもおすすめです!安心して多くの食材を持って行くことができます。現地で冷蔵庫代わりに使うこともできるため、長時間のイベントでも安心です。
また、長距離の移動時にはポータブルバッテリーを冷蔵庫につないでおくこともおすすめです。ポータブルバッテリーについては前回コラムでも紹介しておりますので、ぜひご覧ください!
ずっと愛されるお店でいるために
いかがでしたか?食中毒はお店の信頼を失ってしまう大きなきっかけとなります。また、一度失った信頼を取り戻す事はとても大変なことです。お客様に安全に食事を楽しんでいただき、これからもずっと愛されるお店でいるために、きちんと対策をしながらキッチンカー営業を頑張って参りましょう!🙌